2013年4月21日日曜日

I want a player who's got the guts not to fight back

「私が欲しいのは、やり返さない根性のある選手だ」

 今日、見てまいりました!実話に基づいた話題の映画「42」!これは、Jackie Robinsonという黒人野球選手のお話です。Jackie Robinsonが、なぜそんなにすごいのかと言うと、彼は白人メジャーリーグに最初に入団した黒人選手なのです。アメリカでは、人種差別が激しかった19世紀の終わりから1960年代まで、メジャーリーグから黒人が排斥され、黒人野球選手たちは、「ニグロ・ナショナル・リーグ」でしかプレーできませんでした。私は2008年にカンザスシティにある「ニグロリーグ・ベースボース博物館」に行き、この時のことをブログに残しているので、背景を知りたい方は、こちらをぜひどうぞ。

 Jackie Robinsonが最初にメジャーリーグ入りし、その後他の黒人選手たちも続々とニグロリーグからメジャーリーグに引き抜かれたので、彼がアメリカ野球界における人種隔離の突破口を開いたと言っても、過言ではないでしょう。博物館に行っていたので、そうした歴史は知っていたのですが、しかしJackie Robinsonが最初にメジャーリーグ入りした黒人選手として、これほど人種差別と戦ったという事は知りませんでした。Jackie Robinsonが様々な人種差別、例えば白人のホテルには泊まれないとか、給仕係に無視されたりとか、観客から野次を飛ばされたりとか、他の選手から嫌がらせをさせられたりとか、そういう人種差別を目の当たりにして、「ケンカを吹っかけられても、やり返さないだけの勇気があるか?私が欲しいのは、そんな奴だ」と、ハリソン・フォードが演じるドジャーズのジェネラル・マネージャーBranch Rickeyが言ったのが、今日の表現です。やり返すことの方が、勇気があるように聞こえますが、実際は、明らかに間違った人種差別に会い、それに怒りを顕わにして暴力に走らないことの方が、どれだけ難しく、勇気の要ることか。暴力よりも非暴力の方が、本当はずっと勇気のいる事であることを教えてくれた映画です。ドジャーズのマネージャーの言葉に、Robinsonは、こう応えます。

You give me uniform.
You give me a number of my back.
I'll give you the guts.

(ユニフォームを与えてくれて、
背番号を付けてくれたら、
その根性を見せてあげましょう。)

ロビンソンは、感情をコントロールして、「ケンカをしない根性」を見せてやると言ったのです。映画を見ていて、「ああ、この台詞、絶対ブログに書きたいけど、こんなに長かったら、覚え切れない!」と思っていたら、ホームページのビデオに引用されていました!やっぱね、ここがポイントなのよと、目の付け所の正しさに、自己満足。これが、この映画の底辺に流れるテーマだと思います。ロビンソンが意地悪されたり、差別に会う中、周りの白人達も変わっていきます。彼に同情し始め、彼を守る側に立つ人たちが現れるのです。ロビンソンの戦いは、周りの白人達を人間的に成長させたと思うのです。黒人の人権運動と言っても、それは黒人だけによって行なわれたとは、私は思いません。最初にJackie Robinsonが人種差別の突破口を開いたと書きましたが、彼も、ドジャーズのジェネラル・マネージャー、Branch Rickeyが「黒人選手を我がチームに迎えよう」と決めなかったら、こんな事は起こらなかったのです。今回のハリソン・フォード、すっごいいい味出してます。こんなに役になりきれるというのは、やはり名優の証拠です。アカデミー賞とってもいいと思います。そんな映画「42」のホームページはこちらです。

http://42movie.warnerbros.com/


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